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肝臓の病気(肝炎・肝臓がんなど)

肝臓の病気は、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝臓がん等があります。糖分や脂質の取り過ぎ、アルコールの過剰摂取、ウイルスの侵入などで、肝臓に異常をきたすために起こる病気が多くあります。

脂肪肝

運動不足、炭水化物や糖分の摂りすぎ、お酒の飲みすぎなどが原因で、肝臓の中に中性脂肪が過剰にたまった状態をいいます。まれに極端な栄養不良でおこることもあります。現在、日本では、脂肪肝は1000万人を超えると推定されています。

お酒は適量(日本酒なら一日1合、ビールなら500ml)かほとんど飲まないのに、脂肪肝から慢性肝炎、肝硬変さらには肝臓がんへとすすんでいく人があり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH;ナッシュ)と呼ばれています。

残念ながら特効薬はありません。薬に頼らず、食事内容や飲酒量の見直し、適度な運動での適正体重の維持が脂肪肝の改善につながります。

 

脂肪肝のエコー画像

慢性肝炎

肝機能(ASTやALT、ALPやγGTP)の異常が半年以上続く病気です。日本では約8割の肝炎がウイルス性と言われています。肝硬変に至ることがあり、治療を要します。
B型肝炎:内服薬でウイルスの増殖を抑えるのが治療の主体です。残念ながらB型肝炎ウイルスの完全な駆除はむずかしく、服薬は長期におよびます。ときに免疫抑制剤を使った治療や抗がん剤治療によってB型肝炎ウイルスが再活性化(肝炎がしずまった肝臓で、潜んでいたウイルスがふたたび増える)することがあり、注意が必要です。
C型肝炎:2014年から、内服の直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療が行われるようになりました。長らくC型肝炎治療の主役であったインターフェロンと異なり、DAA治療は副作用が軽微で、治療期間も8週間~12週間と短くなっています。この治療で95%以上の患者さんで、C型ウイルスが体内から駆除されています。

自己免疫由来の肝炎:自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎があり、指定難病になっています。本来体を守る免疫細胞が、自身の肝臓の細胞を攻撃することで起こりますが、正確な発症機序は不明です。採血や肝生検などで診断後、免疫反応を抑えるステロイド、免疫を調節するウルソデオキシコール酸などで治療しますが、治療に難渋することもあります。

慢性肝炎が進行すると、肝硬変や肝臓がんといった深刻な状態になる場合があります。早めの検査と治療が大切です。当院にご相談ください。

 

肝硬変

肝硬変は、いろいろな原因がもとで慢性肝障害が続き、最終的に肝臓全体が硬くなって、肝機能が低下した状態です。ほとんど症状のない人から、肝性脳症、腹水、食道静脈瘤などの肝不全症状がでる人まで、状態はさまざまです。根気よく、定期的に治療することが大切です。

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